薬品の個人輸入は大丈夫か

医薬品は全世界共通の、私たち人類の資産です。ただ、国によって認可されている医薬品には差があります。ある国では認可されている医薬品も、ある国では処方してはいけないということがあるのです。

たしかに、国によって体格などの平均は異なります。日本人はどうしても欧米人よりも体格面では小柄です。大柄な人向けに開発された医薬品と、私たち日本人に適した医薬品が違うということは理解ができます。ですが、その国で認可されるかどうかということはただそれだけの理由ではない場合の方が多いのです。認可されない理由というものが「体格」だけのことではないということです。

「無認可」であれば、医師が処方したり薬局で販売したりすることはできません。つまり、本来であれば私たちは入手することができません。ですがそれは海外では普通に販売されているものであり、海外旅行に行った際などに、私たちはそれらを普通に買うことができてしまいます。私たち日本人は特に医薬品の認可には細かい基準を設けていて、医薬品の分野では諸外国に比べて保守的であると言われています。それは「安全性」を第一に考える私たちの国ならではのことであり、消費者としては安心できることなのかもしれません。

ですが、一方で「旅行の際に使用したあの医薬品をまた使ってみたい」という希望も抱く人もいます。日本では購入することができないものを、どうにかして入手できないかと考えるのです。グローバル化した世の中です。人の「ニーズ」はすぐさま察知され、それは「ビジネス」として成里立つようになります。この場合は医薬品の「輸入代行」というカタチで実現されるようになりました。

無認可であっても安全がわかっている医薬品であれば、個人レベルでの「輸入」は認められています。個人での輸入はいろいろ決まりがあり、転売してはいけないということや、自身での利用に限るということ、さらには一度に輸入できる量が限られているなど、制約がかけられています。ビジネスとして大量に仕入れて販売することはできないのですが、個人での使用に限れば少量ずつ輸入できるのです。

ただ海外からそれらの医薬品を自分で買い付けるのはなかなか難しいもので、言葉の問題、ビジネスマナーの違い、その他手続きなどの煩雑さで実質素人には無理なことでしょう。ですから、それらの諸手続きを「代行」する人が現れたのです。それが「個人輸入代行」です。代行ですから、あくまでも届け先はそのサービスの利用者のところであり、あくまでも委託者が自分で使うという前提があります。それらの個人輸入代行業者は案件単位で少量の輸入を代行していて、それらの手数料としていくらか費用を上乗せして利用者に請求するのです。

世界では使われていて、日本ではまだ無認可の医薬品は私たちの身体にとって100パーセント安全が認められているわけではありません。ですから利用はあくまでも自己責任ということになります。自分がよければ、使えばいいということです。ただ、の先になんらかのリスクがあっても、それも自己責任です。また、直接輸入しているものですから、それらの医薬品の説明書などもありません。使用方法等は自分で調べる必要があるのです。

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