急に痩せた、急に太った、それはキケンです

人には自分のベストな体重というものがあります。身長はある程度までしか伸びません。大人になると後はなかなか伸びないものです。むしろ骨の歪みや姿勢によって縮んでしまうほどです。

大人になると、特に男性ではなかなか洋服を頻繁に買うようなことが少なくなります。それはた10代の頃とくらべてなかなか体型が変わらないためです。3年前に買った洋服を、今も変わらずに着用できるということはザラにあります。ただ、ある程度の年齢を超えると今度は身長ではなくて体重が増加するようになります。それは健康的な増加ではなく、「肥満」と呼ばれるものです。

体重の増減の考え方はシンプルです。摂取したカロリーと消費したカロリーの差、余った分が身体に余分な脂肪として蓄積されてしまうと考えれば良いでしょう。それが歳をとってから顕著になるのは、身体の新陳代謝能力が低下しているためでもあります。若いころは何もしなくても身体が常に新しい細胞を作り続けていたものです。ただ食べて寝転がっているだけでも身体はエネルギーを消費し、常に新しい細胞に全身を生まれ変わらせようとしていたのです。ですが歳を重ねるとその能力がまず低下します。黙っていては、ダラダラしていては、間違いなく身体は摂取したエネルギーのすべてを使い切れないということです。

日本は「飽食」の国です。必要以上に栄養を取ることが当たり前で、誰もが普段使う以上の栄養素を摂取しているのです。そしてそれだけではなく、ワークスタイル自体がすでに肥満を誘発するようなカタチになってしまっています。狭いオフィスで、ずっと座りっぱなしであることがほとんどであり、「運動」というカタチではエネルギーをほとんど消費しないのが私たちです。この国では、もともと歳を取れば太るようになってしまっているのです。

ただ、それとは別に急に太ったり急に痩せたりする人もいます。それは明らかに摂取カロリーと消費カロリーの公式に当てはまらない急激な変化です。それらを「体質」と片付けてしまうこともあるでしょうが、そのような現象は人にとって「不自然」であり、突き詰めると「危険」なことでもあるのです。何かの疾病によって身体がやせ細ってしまったり、何かの疾病の兆候として身体が急激に太ってしまったりすることがあります。そのような時に私たちは「普段の服が着れない」ということだけではなく、もっと深刻な事態を疑うべきなのです。

私たちの身体は何か異変が起きるとき、起きているときに何らかのシグナルを私たちに出しているものです。急激な体重変化はそのもっとも顕著な例でもあります。急に太る、急に痩せるということは、通常の生活ではあり得ないことです。それに「痛み」を伴わないから、「不思議だ」ということだけで片付けてしまうこともあります。ですが、せっかく身体がそのような「サイン」を出しているのですからそれに対して何らかの対処をしなければ意味がないのです。また、そのような異変を看過することで、後で深刻な事態を招いてしまうこともあるでしょう。その時は「面倒だ」と感じるかもしれませんが、放置することでさらに面倒になってしまうことも考えられるのです。

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